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■【その１】君も美大職員になろう！


個人的には、ぜひ美大を卒業した人こそ美大職員になってほしいと思ってます。

手羽のせいか「美大職員は美大卒ばかり」と思われてるフシがありますが、美大といっても大学なので（笑）、ほとんどの職員は一流一般大学卒の方達です。
約80人いるムサビ専任職員でムサビOBOGは８人ぐらい。1割ぐらいかな？他美大さんの割合もこんなもんじゃないでしょうか。


ムサビを始めとして美大卒業生もムサビ職員採用試験を受けてはいるそうなんだけど、最終面接まで残りにくいって話を聞いたことがあります。
というのも美大事務業務で学生や高校生と話をするような仕事、直接美術に関係する仕事はほんの一部の部署なのね。くどいですが美大といっても「大学事務」なので、総務、人事、経理、施設管理、法人など表に出ない仕事や美術のことがあんまりわかんなくてもできる仕事の方が実は多いわけで、美大生はそれがイメージできないよう。どうしても一般大学卒のジェネラリスト的な発想を持ってる人と比べると美大生は弱く感じられてしまうらしいです。

その大学の事務がどういう人材を求めているかでもちろん変わりますが、今回ムサビが求めてる人材は
◎仕事を通じて自己の成長を図りたい方
◎組織の発展のために尽力する熱意のある方
◎美術・デザインを通じて社会貢献に取り組む意欲のある方
◎柔軟な創造力と着実な実行力を併せ持つ方
◎経営的視点で大学を運営できる方
(マイナビ転職 エントリーページより）
です。

「てかお前らはそういう能力あるのかよ？」と言われたらギャフンですが、5項目のうち美術・デザインにうっすら関係するのは1項目だけで、しかも大事なのは美術・デザインの知識ではなく「取り組む意欲」なのよね。
一般大卒の方は仕方なくても、美大卒の人が採用面接で「高校生に美大の良さを伝えたいんです！」「ワークショップと産学経験あります！」「趣味は美術館巡りです」「美術の知識はあります！」ぐらいのことを繰り返してるだけじゃ「ふーん・・で？」と思われてしまうだけなのでご注意を。


ただ、美大職員の難しいところは「とはいっても美術の世界と全く無関係じゃない」ってことで、美大卒美大職員は「美大卒だから美術全般に詳しい」と思われてるフシがあり。
ぶっちゃけ彫刻出身の手羽はデザインの知識があんまりなくて。仕事に関係する部分を優先的に勉強したからいまだに「応用はわかるけど基礎は全く」という状態。建築系は全くです・・。
逆にデザイン系の人に油絵や彫刻のことを聞いても答えられないはず。昔から科目としてはあるし、今は他学科授業を受けれる仕組みが昔より充実してるけど、学生時代はその必要性がわからなかったり、授業も初歩的なところで終わってしまうんですよね・・。

なんやかんや美大だから部署によっては美術・デザインに関係する仕事もあり、手羽は広報、デザイン・ラウンジ、産学を担当するようになって「あ。今の状態じゃまずいなあ・・」と必要に迫られて勉強しました。スタートラインは普通の人とほとんど変わらず、今の仕事をやってなかったら多分5人ぐらいしかデザイナーの名前は言えなかったと思います・・。
でも「手羽さんはいいですよ。美大卒だからデザインの知識があって」と軽く言われてしまうの(涙）「あんたが勉強してないだけだよ」と何度反論しようとしたことか（涙）


てなことを書いてると「じゃ、全然美大卒のメリットがないじゃん！」と思うはず。
ポイントは「美大の本質的な学びがなんなのか」を語れるかどうかかもしれません。美大卒なら（うっすらでもいいので）気が付いててほしいし、逆に知らないと「美大卒なのに気が付いてないのか・・」と他の人よりも厳しい評価を受けるのは当然で。
20年前ぐらいの体験談やステレオタイプ的な知識で美大を批判する人がたまにいますが、私たちの情報発信不足である一方、そこに最近美大卒業した人が関係してるんだったら「あ。今はちょっと違うかも」ぐらいのことは勇気をもっていってほしいなーと思ったり。一緒に「記事に吊りタイトルつけて中身は薄っぺらい宣伝」とかそういうことやってる場合じゃないんだけどな。


「美大での本質的な学び」を体験してる人、気が付いてる人が美大職員に増えれば、もっと美術・デザイン業界や美大業界、そして社会ががよくなるはずだと信じてます。
それは何か？
手羽ブログで何度か書いてきてるので調べてください。てへ。




明日はムサビ職員の話を少し。