【ムサビの強み】インターンシップ演習2017を終えて7

2017年12月25日(月)

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メリークリスMAU!!
・・今日がラストチャンスだよ。学校でも職場でも最初の挨拶は「メリークリスMAU!」だよ。


これまでの話はこちら。
インターンシップ演習2017を終えて1
【今年のプレゼント発表!】インターンシップ演習2017を終えて2
【シャドーワークでの気づき】インターンシップ演習2017を終えて3
【2023年までの美大関連タイムライン】インターンシップ演習2017を終えて4
【他分野からのデザイン領域進出】インターンシップ演習2017を終えて5
【学生さんの感想から】インターンシップ演習2017を終えて6



学生さんからの感想は大きく4つに分けることができ、最後4つ目は「ムサビ(美大)が大好きなんですね」
そりゃこの講義の本テーマが「ムサビ(美大)に興味を持つことで自分を高めることができる」だから、かなり大袈裟に「ムサビってすごくね?」と語っています(笑)
もちろん、ダメなところもいっぱいありますが、知れば知るほど「ムサビって結構いい大学じゃん」と気づくことが多く。

講義で話した「手羽が思いつくムサビの強み」は6つあります。
こういうのを語るのって恥ずかしいというか、カッコ悪いのだけど、授業の振り返りでもあるので。


(1)約90年の伝統による社会からの信頼
授業では「ムサビで学んだあんな人こんな人(中退含め)」というコーナーがあって、卒業生をダーーと紹介するんだけど、その数約200名。毎年増えて困ってます(笑)
「タマビは佐藤可士和とかいるのにムサビは有名デザイナーがいない。クソだな」と自慢げにつぶやく人がいるから「それはあなたが知らないだけ。これをデザインしたのもムサビOGですよ」と説明したくて。
ムサビOBOGの特徴は、作家やデザイナー等クリエイター職はもちろんのこと、会社の社長、他大学教授、地域で造形活動をされてる方とか、様々な分野で活躍されてることで、数も約7万人います。
msb! caravan 校友発掘キャラバン
校友会のサイトを見ると、最近だとマジシャンもいます。
その諸先輩方が作ってくれた「ムサビブランド」がなんだかんだある。

 
(2)学科間・教授間・学生間のつながり
「横断的なカリキュラム」は今は他大学でもやるようになったので、これ自体は強みにならないのだけど、「他学科教員とのコラボ授業や企画」てのはあまり他大学では聞きません。
東工大との合同ワークショップは視デ・油絵・建築の先生が関わってるし、旅するムサビin台湾も教職・芸文・教養科目の先生が引率してたり。
別に大学側から「●●先生と●●先生やってください」とお願いしてるわけじゃなく、自主的につながっているのが他大学ではありえないことで。


(3)教養・知識を大事にしてる(教育力)
ムサビ卒業生の誰もが言うのが、「学生時代にもっと教養科目をちゃんと受講すればよかった」です(笑)
教養科目の自由選択枠がほんと多い。教育理念が「教養を有する美術家養成」だけあって、実技だけじゃなく教養を大事にしてるのがわかります。ただ、ちょっと多すぎるかもしれないのと(笑)、それに気が付く人の多くが卒業してから、というね・・。


(4)産学連携、社会・地域連携数(美術振興力)
産学連携数はだいたい年間25件。社会連携数は旅ムサを含めると60件ぐらいだし、実施地域も北海道、新潟、福島、鳥取、奄美などなど日本中。社会連携チームで把握してるのがそれだけで、学生さんや教員が独自に活動してるものはもっとあります。
たかだか4000人の大学でここまで活動してる大学は一般大学含めてないんじゃなかろうか(特に調べてないのであったらすいません・・)
 

(5)美大リーダー校としての意識
こう書くと調子ぶっこいてる感じになりますが、表現変えるなら「ムサビだけよければいい」と思っていないこと。もちろん受験広報では「ムサビ最高!」と言いますけど、根っこのところでは「大学の枠を超えて美大の良さや美術の面白さを知らしめたい」という気持ちが強い。
デザイン・ラウンジが典型例で、イベントではほとんど「ムサビ生限定募集」はやりませんし。


(6)革新的なメッセージを発信してきた大学(開拓力)
なんとなく保守的なイメージがムサビにはありませんか?
でも美術の通信教育を始めたのはムサビが最初だし、「造形」を冠につけた学部を作ったのも最初だし、 「美大での建築」もそう。
最近になって「つくづくうまいなー」と思うのが、「視覚伝達デザイン学科」「空間演出デザイン学科」です 。
それまで「商業デザイン」「芸能デザイン」と言ってたものなので、普通なら「視覚デザイン」「空間デザイン」とつけそうなものじゃないですか。そこに「伝達」「演出」という言葉を入れて、「ただモノを作ることが目的じゃない。『視覚による伝達』であり『空間の演出』のデザインなんです」と広義なデザインであることを短い文節で説明してるの。
ほんとうまいなー。

「新しい学科」は新たな学問領域の発信でもあり、他にも「工芸工業デザイン学」「基礎デザイン学」 「映像学」「デザイン情報学」という、日本で最初の学科を作り、新たな学問領域・分野をメッセージとして出しています。
これまでにない革新的な学問分野を社会に提案しつづけているのが実はムサビなんですね。
全然保守的じゃない(笑)


・・・で終わると、単なるムサビ自慢。
言いたいのはここじゃなくて、「ムサビの強みってムサビOBOGの共通点ともなんとなく一致してるなあ」と気が付いたんです。
「他者とつながりたい気持ち」「自信と悩みを常に持ってる」「美術を愛する気持ち」「絵だけじゃなく文章や企画もいける能力」「自分だけじゃなく他の人を幸せにしたい気持ち」「新たなもの、新たな文化を発信する気持ち」が強いのがムサビOBOGに多いような気がしてて。
誰も意識はしてないのだけどいつのまにか、「ムサビの血」を受け継いでる。

つまり、学生さんもムサビにいることで、いつのまにか「ムサビの血」を受け継ぐ。
「だからムサビを好きになる必要はないけど、自分のためにムサビに興味を持とう」という話で締めくくりました。これが言いたいがための70分間の伏線で、いつも以上にここへつながるように構成したのです。
他の講師の方の授業も含めて、学生さんは「ムサビ」をどう解釈したのか。よかったらぜひ聞かせてください。


今回で9回目のインターンシップ演習。来年またやらせてもらったら、いよいよムサビ愛を語って10年になります。
2018年はムサビにとって大事な年になるだろうし、その時は例年よりプレゼントを奮発するか(そこ?)


てなわけで授業の振り返りはこれにて終了。
以上、これから今年の振り返りに入る手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。