【おせっかい野郎達】「社会をクリエイティブにデザインする」に行ってきた

2018年3月28日(水)

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2018年3月27日(火)、デザイン・ラウンジへ。

ミッドタウンの桜は超満開。
あちこちで花見やってるし、日テレさんもテレビ中継に来てた。

でも一度も外に出ず(涙)、手羽が参加したのはこちら。

社会をクリエイティブにデザインする

●日時:2018年3月27日 (火)18:00 -21:00
●会場:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
●定員:50名
●主催:ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブ準備事務局、武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
●協力:SDN Japan、NPO法人HCD-net、Xデザインフォーラム


一言で説明するならば、「ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブ コミュニティ」の立ち上げイベントです。

まず最初に(株)コンセント代表の長谷川 敦士さんからコミュニティの趣旨説明。

高齢化、産業構造の変化、国際競争力、次世代の人材育成といま私たちが直面している課題は、個々の企業や組織だけの問題ではなく、領域横断的に課題に取り組んでいくことが求められています。
課題へのアプローチは経済的なアプローチもあれば、政治的なアプローチもあり様々。でも、経済や価値観が変容を遂げている中、デザインクリエイティブに関わる私達の「質的な変化を生み出す力」が、この課題に対して最もインパクトを持っているはず。
今こそ力を結集して新たな人材育成含めて変化を生み出していきませんか?

てなことで、地域、日本、世界をクリエイティブにデザインする「ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブ(仮)」というコミュニティが2018年9月に発足することになり、今日はそのプレイベントってことなんですね。登壇される方は発起人の方々です。

また長谷川さんからは事例紹介として、(株)コンセントとデザイン・ラウンジが一緒にやった「いすみ未来会議プロジェクト」の話もありました。


続いてパワープレイス・ディレクターの若杉 浩一さん。

結論を先に書くと、「若杉さんが全部持っていった」(笑)
面白かったなあ。

若杉さんの肩書は「デザイナー」なんだけど、様々な地域で様々な活動をされてて、それらは「仕事ではない意味不明なデザイン(by若杉)」です。おせっかいであり面倒事。でもその余白の拡大こそ新しい価値創造へのリレーションデザインじゃないか、という話。


ここから5分のライトニングトークが連続して行われました。


  • SUSANOOの渡邉 賢太郎さん


  • (社)PLAYERSの村越 悟さん。


  • HEART CATCH Inc. の西村 真里子さん。

西村さんの「POLLINATOR(受粉者)として働く」という言葉が印象的でした。
ファシリテータやコーディネーターではなく、あっちにブンブン、こっちにブンブン飛び回り、アイデアと人を受粉させていくポリネーターという役割の必要性。


そうそう。印象的といえば、今回登壇されたほとんどの方がWindowsユーザーだったことにびっくりで。ラウンジのイベントに登壇する人はこれまでマック派がほとんどだったけど、こっち系の人はWinユーザーなんだな、と(笑)


  • 産業技術総合研究所の江渡 浩一郎さん。「ニコニコ学会β」「未来の運動会プロジェクト」を企画された方で共創型イノベーションの話。


  • 富士通デザインの上田 義弘さん。これからは「Design Thinking」から「Design Doing」の時代


  • プランティオ株式会社CEOの芹澤 孝悦さん。野菜をリデザインする。


  • 東海大学教養学部 芸術学科准教授の富田誠さん。基礎デ出身です

富田さんが話した内容について、詳細がWEBにあがっているので、こちらをご覧ください。
社会へのまなざしを持ったデザインの学び ライトニングエッセイ

皆さんの話を聞いていくつか感じた点があって、その一つは「これからはおせっかいの時代」ってこと。登壇された方に共通していることかもしれません。
みんなのおせっかいや余白を少しづつくっつけていけば、社会が豊かになるはずで、それが「社会をクリエイティブにデザインする」の鍵になる。AIやIotは道具として使う。
頭の中では理論的になんとなく理解してたけど、いろんな具体的な事例を聞けたのが今回自分にとって大きな収穫でした。

会場にはタマビの米山さんが来てて「内容は先進的で素晴らしかったけど、これを高校生が理解してくれるかな・・自分が広報だったらどう宣伝するか考えちゃった」と心配してくれてた(笑)
そうなんですよ。それが私も感じた2点目で。
今回登壇された方は知ってる人には超有名な人達ばかりで、たまたまWEB見て「え。なにこの豪華なラインナップ?!え?ムサビがやるの?!」とびっくりして申し込んだ人も何人もいたぐらいなんだけど、高校生や一般の大人、そして美術教育関係者が知ってる人達かっていうと・・・多分知らないです。具体例を出していけば多分わかってもらえるはずだけど、コンセプトの言葉だけでこの内容を理解できるのは「地頭のある高校生」じゃないとかなり難しいかもしれない。
それは私たちも把握してる課題でもあり・・。

「サービスデザイン」「UX」「ソーシャルデザイン」はデザイン業界には昔からある分野で、例えばタマビの情デでもかなり専門的に学べるのですが、世の中的にはまだまだ認知されていない新しい世界。なおかつムサビ新学科では「それらを全部ひっくるめた力でクリエイティブなイノベーション起こそうぜ!」ととんでもないことを語ってるわけで(笑)、こうやって仲間を増やしながら「考え方」を浸透させていくしかないのかな、と。

ただ、自分の子供を見てると私達世代なんかよりよっぽど「ソーシャルデザイン」「サービスデザイン」を理解してるんじゃないかな、と感じることがよくあります。私たちは「学んだ」ことだけど彼らは生まれた時から「体感」してるのが強い。むしろ、今の大人よりもその世代には伝わりやすい世界なのかもしれない、と思ったりも。

デザイン・ラウンジディレクターの井口先生が締めの挨拶。

感じた3つ目は「デザイン・ラウンジの6年間って大きいなあ」ということ。
学外ギャラリーやサテライト教室を運営してる大学はたくさんあるし、先生方が運営してる学外拠点スペースってのもよく聞きます。でも「大学」が「公式」に「都心」で「独立」した「社会実験の場」を運営してる例って総合大学含めてほとんどありません。サービスデザインやブランディングデザイン、ソーシャルデザイン等を中心としたワークショップやイベントを6年前からムサビとか関係なくやってることの強み。昨日改めてそれに気が付かされました。

デザイン・ラウンジは3年を1期と考えていて、今年度が2期目最終年。3期に向けて勢いづくイベントを開催できたことに感謝。

みんなで集合写真。
ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブは2か月に1度ぐらいの頻度で開催するので、ぜひ参加してください。


以上、

恒例となった学長とのイベント打ち上げラーメンになぜか米山さんもついてきた手羽がお送りいたしました。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。