アート&デザインプロジェクト発表会2018「美大生の可能性」に行ってきた

2018年11月5日(月)

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11月3日(土)、鷹の台キャンパスで

アート&デザインプロジェクト発表会2018:美大生の可能性」が開催されたのでそのレポートをお送りします。

ムサビは学科や学年の枠、地域の枠を越えて、授業内だったり課外活動だったり、様々なプロジェクトを実施しています。それらを学生自身にプレゼンテーションしてもらおう、という企画です。


10月31日にはリハーサルも行いました。

この発表会では課題解決に向けて学生がどんな思考や議論を重ねたか、という「プロセス」をポイントに置いています。この手の発表会だと「楽しかったです」「勉強になりました」「美味しかったです」「皆さんが優しくしてくれました」な報告になりがちですが、どんな気づきがあったのか、変化があったのか、をちゃんと語るように修正してもらいました。
それが学生さんにとって学びになるはずで。

んで発表会当日。

機材チェックをし、

パネルも張り終わって、いよいよ本番!



  • 進行は社会連携チームのABさん


  • 最初に社会連携推進検討委員会委員長でもある建築学科の鈴木先生から挨拶。


  • そして手羽から「美大生の可能性」という話を10分で。 この3か月、2週間おきぐらいにプレゼンやってる気がする。

ここから会場を2つに分けて、学生さんからのプレゼンが始まります。
発表団体・タイムテーブルはこんな感じ。

旅ムサだけで年間50か所ぐらいあるんで、今年は数よりもいろんなパターンのプロジェクトに発表してもらうことにしました。どうしても「美大生はただ絵を描いてるだけ」と思われてるフシがあるので、「美大生はどんなことができるのか。どんな学びをしてるのか」を知ってもらいたいんです。
年間20件ぐらいやってる純粋な産官学連携をほとんどいれなくてもこの量になるのはムサビの強みでもありますね。

おっと、産学連携といえば、
「モスバーガーキャンパスミーティング」in 武蔵野美術大学を開催 学生がデザインしたナプキンホルダーの大賞作品を 11 月 21 日(水)より全国の店舗で採用
夏に実施したモスバーガーキャンパスミーティングin ムサビですが、11月21日から全国のモスバーガーでムサビ生のデザインしたナプキンホルダーが置かれます。なんと全国ですよ!
なおかつムサビ近くのモスバーガー3店舗で垂れ幕が12日から出るんで、みんなモスバーガーに行こう!(宣伝)

ミッドタウンでキッズワークショップを行った「ももいろめがね」による「みつけよう!世界にひとつだけの星空を」
「普段使ってる自分たちの言葉が子供には通じない」と気が付いたそう。

学内広報誌「mauleaf」を作っている学生スタッフ。
活動によって新たなムサビの一面を知ったのもあるけど、プロの編集者と一緒にやってるから「一番最初に教わったのはメールの書き方でした」と(笑)
そうなんです。なんだかんだ大人とはメールか電話で連絡を取り合うしかなく、「お世話になってなくても『いつもお世話になっております』と最初に入れる」なんてビジネスメールマナーはともかく、「件名を入れる」「最初に誰なのか名乗る」とか最低限のことを知らない学生さんがやっぱり多いんですよね。授業では教えてくれない「社会的スキル」は外の人と接することで学べる。

長崎県大村市での旅ムサステイ
旅ムサステイとは1週間程度地域に滞在して活動する旅ムサのことです。
「ワークショップで子供が迷ってる時にどこまでアドバイスをするべきか」という話がありました。これ、ほんと難しいんですよね。あまり言いすぎるとそれを「答え」だと思ってその通りにやっちゃうし。

School Art Project ムサビる!からの報告。
中学校を美術館に変える活動が「ムサビる!」なのですが、美術を嫌いになった子に好きになってほしい、と願いながら活動してるそう。

電気通信大学との連携プロジェクト。左側は電通大、右側がムサビ生です。
ムサビ生から「学会で発表するという貴重な体験」「研究初期段階ではなるべく可能性を残しておくべきだけど、デザインは目的に応じてコンセプトを尖らせていくことなので、『研究のデザイン』という難しさを知った」「議論を重ねることの大事さ」「自分は理系寄りの人間だと思ってたけど、改めて自分の役割に気がついた」と発表がありました。
「他分野の人と接することで自分の強みや弱みを知る」、他大学連携はまさにグローバル教育・キャリア教育の一つともいえるのです。

ルネ小平ワークショップ「子どもの広場」
今回スタッフ不足で近隣のお母さんたちにも手伝ってもらったところ、「こういう素材で作ってたんだ」と言われたそうで、ある意味ネガティブをポジティブに変換した瞬間かもしれませんね。
しかし昔から活動してるプロジェクトですが、手羽もこんな少ない予算でこの規模のものをやってるとは知らなかった・・。

最後は「ビザ・ワールドワイド ニューフォームファクターワークショップ」
詳細はこちらを読んでください
さすが4年生な発表でした。
「理工系学生は外的基準を大事にするが、ムサビ生は内面の何かを大事にし(恐らく「愛」)、フレームワークを超えた発想をする違いがある」と冒頭の手羽プレゼンにつなげてくれた感じ。


会場には様々な方にお越しいただいてまして、

立川市役所や小平市役所の方々、中学校や高校の先生、NPOの方等々。受験生の親子もいらっしゃってましたね。
小平市と包括協定を結んだこともありますが、やはり地域がムサビに期待してることは大きいとのこと。
ただ冒頭の手羽プレゼンを聞いた人とそうじゃない人では「美大生の可能性」の気づきの差があるはず。いつでもどこでもやりますんで呼んでください。まずはそこからだと思ってまして。


学生さんの発表が終わったところで、

教職の三澤先生から「大学・学生が社会と関わるということ」

そして視デ・齋藤先生から「美術・デザインが社会と関わるということ」をテーマに全体総括をしてもらいました。
キーワードは「対話」「主体性」「コラボレーション」「資源をいかす」「ダイバーシティ」「教育から社会をつくる」「意外と美術・デザインができることがたくさんある」であり、一言で説明するなら「つなぐ」ですね。
私たちは学生が他者との積極的なつながりを作る「渡し」的存在にならないといけないし、これからは学生さんも積極的に「渡し」そのものになっていく必要がある。


無事に発表会も終わり、懇親会へ。


  • 齋藤先生による乾杯でスタート

そうそう。対話が大事だよね。


プレゼンやってくれた学生さん、鈴木先生、三澤先生、齋藤先生、そして

ずっと準備をしてきた社会連携スタッフの木反橋くん、クマアカさん、お疲れさまでした!


以上、日曜家でゴロゴロしてたら奥さんから「昔のあんただったら、タマビの芸祭行って、場合によっては六本木まで行ってたのに・・年取ったね」と言われた手羽がお送りいたしました。
だってだって、9月以降の週末は学科ガイダンスから始まって、宝塚大学訪問、美術を楽しむ日、京都精華50周年、デザインタッチとずっと続いてたんだもん・・・。

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OTONA WRITER

手羽イチロウ / teba ichiro

【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。