令和2年度東京藝術大学 卒業・修了作品展の様子を3話に分けてお送りしてます。
今回はいよいよ最終回!
学内の展示は見終わったけど、構内を離れる前に久しぶりにあそこにも寄っておこう。
藝大アートプラザへ。
今は第15回 藝大アートプラザ大賞展をやってます。
やっぱり藝大の一押しはブルーピリオドですわな。
作者・山口つばささんのインタビューはこちら。
■藝大人たち | 第五回 山口つばさ
で、卒業・修了制作作品で東京都知事賞に選ばれた作品が1年間展示されてる「芸術の散歩道」を通って(説明的)、
東京都美術館へ。
藝大の展示見るには赤色のリストバンドが必要で、3か所見るとこんなに手首がカラフルに。
続いて地下の展示場へ。
会場レポートはこんな感じかな。
続いて恒例のコロナ対応チェック!
他大学の卒展の参考にしてほしくて。
東京藝大は事前予約制を取り、
テントや入り口で必ずリストバンドを付ける方式を取ってました。
ただ、タマビの卒展の時も感じたけど、リストバンドって必要だったのかな?
入り口で全員の体温を必ずチェックしてたり事前予約制だったら、誰と何を区別するためのリストバンドなのかよくわからないというか、あまり有効的に使われてるシーンを見てなくて。都美館は建物の構造上リストバンドの意味があったけど。
また「混雑緩和のための時間ごとの事前予約制」も微妙に感じました。
1時間ぐらいで見れる美術館型展示や「バス等公共機関が混まないために」「入口が混まないために」ということで時間ごとに入場人数コントロールする意味はあるし、連絡先確保のための予約制もわかるんです。また完全に構内のルートを決めて一方通行にすれば、時間ごとの入構人数制限をかける意味はあります(でもそれは多分無理)
でも1時間区切りって「1時間で前の人が退場してる」が前提であって、学内卒展だと半日はだいたいいますよね?(てか1時間では見れない)
「混雑防止のため構内に入ってもいい人数は1000人まで」とした場合、9時の入場を1000人にしたら午前中は誰も入れられなくなっちゃう。それだとアレだから分散させて1時間各300人にすると9時、10時は会場がスカスカになっちゃうはず。
具体例を出すと、瓜芸の卒展が今日から始まるけど、予約受付サイトを見ると1時間200人を上限にしてます。これって1時間で全員帰る計算なのか最大人数は1000人ぐらいにしてるのか、どうしてるんだろ?
学内卒展で密回避を厳密にやるならば、絵画棟でやってたように
カードで館内人数をコントロールし、部屋内の上限人数を設定するしかないんじゃないかと。
というのも東京藝大で建物によっては密になってるところがあったんですよ。
「興味を持ってる人が多い分野」「見るのに時間がかかる分野」等によって建物内の混み具合が全然変わるから、混雑防止のための構内入口の人数制限ってあまり意味がないな、と感じて。
やっぱり「会場混雑ではなく入場受付が混まないために事前予約制」が正しい考え方なのかな。
それと人間の心理として、細かく時間設定されてる無料の展覧会だと、行きたい時間の前後も押さえちゃうんじゃないかしら。実は手羽も会場到着が遅れそうだったから30分後も実は押さえてました・・ごめんなさい・・。
人数コントロールもそうだけど、絵画棟が一番しっかり対策をやってる感じでした。
他の建物を見ていきましょ。
デザイン系だと作った本を読んでもらう作品があるんだけど、今年は手に取ってもらえないのが悔しいだろうなあ。(対策としてネットでも読めるように作ってありました)
「あ。なるほど。うまいなあ。コロナ対応じゃなく普段もこれいいんじゃね?」と思ったのが、
デジタル芳名帳というやり方。
なんかそっけない気もしたけど、これだとペンや紙を毎回消毒する必要ないし、個人情報が主催者以外は見れないし、字が下手なのもわからない(笑)
他大学でも真似するといいかも。
はい、これにて東京藝大卒展レポートは終了・・・ではなく、最後にもう一つだけ。
一番奥のラーニングコモンズでやってた展示で、
東京芸術大学取手校地30周年記念展です。
東京藝大は上野以外に横浜、千住、そして取手にキャンパスを持っていて、取手キャンパスは最近まで美術学部1年生全員が通うキャンパスでした。でも今は美術学部2年以上の先端芸術表現科、大学院の一部(壁画・ガラス・グローバルアートプラクティス)のみとなってます。
奥歯にはさまった言い方するならば、緑豊かな場所にあり、
■ヤギ飼い、学生創作の刺激に 取手の芸大キャンパス:朝日新聞デジタル
こういう話題がニュースになるキャンパス。
その取手キャンパスは1991年10月に開設されたから、今年でちょうど30周年なんです。
お話されてるところを横で聞いてると、30年たってようやく冷静に語れる状態になったんだとか。
で、途中まで卒展に合わせてやってる大学主催の大学史展示だと思ってたんですよ。本気で(笑)
でも「取手土地取得の財源として芸高の校地を売却した」「バブルに翻弄」とか書いてあって、取手の暗部にかなり触れてる。大学主催だと隠さないまでももう少しそこはオブラートに包むもんだけどかなり生々しい・・。
そういえば、聞いた話だと取手キャンパスってホームレスの方が住んでるんですよね。
ようやく大学院グローバルアートプラクティス専攻生の修了制作だと判明。
■東京芸術大学取手校地30周年記念展— 「小文間の藝大第2キャンパス」の歴史と証言|田中 John 直人
今回の藝大卒展で、手羽が一番気になった作品となりました。
■取手校地30周年記念展
サイトも準備されてます。美大史は興味あるので、完成したら見ます。
ちなみに中期目標・中期計画一覧表に東京都文京区の外国人教師宿舎と那須高原研修施設の譲渡計画が書かれてるので、まだ那須に行ったことがない藝大生はお早めに。
というわけで、これにて東京藝大卒展レポート上野編、終了!
お付き合いありがとうございました。
以上、取手校地30周年記念展で口の中が東京藝大の味になってしまい、でもこのご時世、他県のキャンパスには行けないので、我慢できずに
東京藝術大学千住キャンパスでやってる音楽環境創造科の卒展に行ってきた手羽がお送りいたしました。2月7日まで!
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。