全ては2013年9月7日から始まりました。
■Announcement of the host city for the Games of the XXXII Olympiad in 2020
今見るとすごく懐かしい・・。
そして2014年1月に組織委が立ち上がります。
■【TOKYO2020】2014年1月24日 - 組織委員会設立初日、緊迫した1日の様子をプレイバック! day01 for web
7年前はそんなに不自然に思わなかったけど、今見ると「全員おじいさんってどういうことやねん」と感じちゃいますね。
というわけで、明日からいよいよオリンピックが始まるので、今日は東京オリンピック2020のデザインに関する話題を映像で振り返ってみます。
意外とこういうまとめ記事がないのと(美術手帖さんとかJDNさんとかやればいいのに)、調べてて結構自分でも忘れてたことがあったので。
意外と知られてないのがこちらです。
■ザハ・ハディド氏「新国立競技場デザイン・コンクール表彰式 プレゼンテーション」
動画公開日を見ると「2013/04/01」。
実は東京大会が決定する1年前の2012年11月に新国立競技場のデザインはザハさんに決まってたんですね。その後のことはご存じのとおり。
美大関係者が絶対に忘れられないシーンは2015年7月のこれかもしれません。
■東京五輪のエンブレム発表 都庁ライトアップも(15/07/25)
ムサビに「あんな教授やめさせろ!」と何本も電話かかってきて、「タマビとムサビの区別がつかない人がこんなに世の中にいるんだな」と実感した出来事でもありました。
ちなみにこれまでの日本オリンピック系デザインは、
●1964年夏季東京オリンピック・シンボルマーク
河野鷹思氏、亀倉雄策氏、杉浦康平氏、田中一光氏、永井一正氏、稲垣行一郎氏の6人のデザイナーによる指名コンペで亀倉雄策さん案が採用。
●2016年夏季東京オリンピック・招致シンボルマーク
栄久庵憲司さんがデザイン。
●1972年冬季札幌オリンピック・シンボルマーク
1966年10月、指名コンペ実施。指名されたのは原弘、亀倉雄策、栗谷川健一、田中一光、永井一正、細谷巖、和田誠、仲條正義の8名で、最終的に永井一正さん案に決定。
●1998年冬季長野オリンピック・シンボルマーク
世界中のランドー・アソシエイツの社内選考を繰り返して、(100人以上のデザイナーが参加。1000点以上の作品から)12案だけが長野オリンピック冬季競技大会組織委員会への第一回プレゼンに提出。篠塚正典さん案に決定。
●2020年夏季東京オリンピック・招致シンボルマーク
2011年9月12日~26日まで、プロアマ問わず、ロゴデザインを募集、審査委員会(水野正人、佐藤可士和、小山薫堂)による選考を実施。グランプリに選ばれた島峰藍さん(当時女子美術大学生、のちに東京芸術大学大学院へ進学)のロゴをもとにブラッシュアップして制作。
という感じで決まってたので、クローズドなデザインコンペってのは全然珍しいことではありませんでした。「優秀な人に指名で」ではなく「みんなにチャンスを」な時代の変化ってことですね。
で、なんやかんやがあり、
■東京2020大会エンブレム デザイン募集 選考の記録
再選考が始まりました。故 勝井先生も映像に出てきますな。
これがスムーズに進んだのは、宮田 前文化庁長官のキャラクターとドラのおかげかもしれません。
で、
■東京2020大会エンブレム採用作品決定、発表までの記録
東京造形大卒の野老朝雄さんのデザインに決まります。
ちなみに招致ロゴは女子美卒→東京藝大大学院に進学された島峰藍さん、旧エンブレムをデザインした佐野研二郎さんはタマビ出身で、野老さんが東京造形大卒と、東京の美大でムサビだけ仲間外れ状態(笑)
ちなみにちなみに、エンブレム最終候補4作品のうち2つが桑沢デザイン研究所出身の方で、学校法人桑沢学園卒業生が最終候補4案中3案に採用されてたことが後で判明しています。びっくりでしょ?
クリエイティブ系ではなかなか明るい話題がなかったんですが、「え。日本、やるじゃん!!!」と強く思うことができたのがこちらでした。
■フラッグハンドオーバーセレモニー
■リオ2016オリンピックフラッグハンドオーバーセレモニーメイキング*English subtitles available*
今見てもかっこいいし、「デザイン系でいろいろ揉めてて恥ずかしいばかりだけど、このレベルのものを東京オリンピックでやれる実力がまだ日本にはあるんだ!」と感じ、嬉しく思ったのを覚えてます。
オリンピックといえばやっぱりこういうものもがなくちゃね。
■東京大会のマスコット 全国の小学生の投票で決定へ(17/04/26)
マスコットキャラクターの募集。これが2017年4月。
■東京2020大会マスコット公募告知ムービー
個人的には、みうらじゅんさんを審査員に入れる勇気がないのが日本のクリエイティビティの弱さだと思ってます(笑)
手羽が全く知らなかったのが、
■東京五輪音頭-2020- ミュージックビデオ / TOKYO GORIN ONDO 2020 (Music Video)
2017年8月にこういう活動をやってたんですね。まだどこかで踊ってるのかしら?
あ、小林賢太郎さんはここから関係してたんだ。
■舛添案”から一新 観光ボランティアの新制服“
うわ。こういうこともあったなああ。これが2017年9月のニュース。
ちなみによく間違えられてましたが、これは東京の観光ボランティアユニフォームであって、東京五輪ボランティアユニホームはこちらです。
2019年3月に発表されたのがピクトグラムです。
■東京 2020 オリンピックスポーツピクトグラム コンセプトムービー
ムサビ卒の廣村正彰さんがデザインしました。
スポーツピクトグラムは1964年東京オリンピックで初めて生まれたので、プレッシャーも大きかったはず。
そして、オリンピック史上初の試みなのが、動くスポーツピクトグラムで、
■The Tokyo 2020 Kinetic Sports Pictograms
実はこれもムサビ卒の井口皓太さんがデザインしています。
■2020年東京五輪聖火リレーのトーチを発表
聖火リレーのトーチデザインは吉岡 徳仁さん案が採用されました。
そして2021年6月に発表されたのが、野老さんがデザインした表彰台や
■東京2020オリンピック・パラリンピック 表彰台メイキング映像
ファッションディレクターの山口壮大さんがデザインした表彰式衣装やメダルトレイ。
そしてアイコニックポスターも公開されました。
■東京2020大会を象徴するアイコニックポスターが決定!
ここまで情報を追いかけている人がどれくらいいるのかわからなくなってくるけど・・。
日本と海外の映像を比較すると、「日本をどう見てほしいのか」「どう見えてるのか」「どこを『売り』と思ってるのか」がわかるのもので、まずは日本側。
んでこっちは、BBCなどのトレーラーです。
こちらはオメガのCM。
美しすぎる。
さあ。泣いても笑ってもいよいよ明日から始まってしまいます。
あとは無事に終わることを願うだけ・・・ちょっと小林さんの件が心配だけど・・。
「サノケンさんの時に、オリンピックがうまくいかないようタマビが呪いをかけた」と噂を流してみようかな。
以上、今までいろいろあったけど、
これを超える開会式をやって、「日本のクリエイティブティはすごいんだぞ」と自慢したい手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。