四国旅レポートをやってます。
■【やればできる】済美高校と高松工芸高校に行ってきた
今日は全く美大ネタはない観光ブログなので(笑)、読み飛ばしてもらって結構です。
本当は3回ぐらいに分けて書くボリュームなんですが、シリーズにするほどでもないので、とにかく長いです。
まずはこちら。
道後温泉。
前回愛媛に来た時は、3日間大竹伸朗さんのアトリエで撮影してたんで、唯一帰る時に観光できたのが道後温泉でした。なのでここだけは2回目の訪問。
たまたまこの坊ちゃん列車が動いてるところを見れました。
手羽は全く鉄っちゃん要素はないのだけど、いつも美大チクリネタを教えてもらってる鉄っちゃんのために撮影。
道後温泉本館は大改修中で、「魅せる保存修理」をテーマに現在はこんな感じになってます。
前衛的でしょ?(笑)
この工事テントの原画を描いた人こそ、大竹伸朗さんです。
■道後温泉を覆う大竹伸朗の巨大アート。「地熱の持つエネルギーをテーマに」|美術手帖
本館は前回入ってるので、そのころはまだなかった道後温泉別館 飛鳥乃湯泉へ。
このカラフルなのは、蜷川実花さんのインスタレーションです。
2階個室を使わせてもらいました。
えーと、「浴室の陶板壁画でプロジェクションマッピング」とあちこちで宣伝されてますが、少々しょぼいです・・。陶板壁画をじっくり見せればいいと思うのだけど。
んで、前回行きたかったけど行けなかった松山城へ。
麓からの手段は3つあり、
手羽は行きはリフト、帰りは山道ルートを使ったけど、この時期の山道ルートはウォーキング気分でもなければやめた方がいいかも。汗びっしょりになりました・・せっかくお風呂入ったのに・・。
で、どこに行ったかというと、
じゃーーん!
城好きなので、出張先にお城があれば必ず行くようにしてます(笑)
それほど大きなお城ではないのだけど、構えがとってもいい。
今まで手羽が見た中ではベスト3に入りますな。桜の季節とかいいだろうなあ。
ここから香川県にビューンと飛びます。
高松城跡【玉藻公園】へ。
ここはブラタモリを見て行きたくなった場所。手羽の地方の知識はほぼブラタモリ(きっぱり)
日本三大水城の一つで(残り二つは今治城、中津城)、日本でも珍しい、海に接したお城(跡)なんですよ。
二の丸と本丸を結ぶ鞘橋。本丸への唯一のルートで、屋根がついてる橋って珍しい。
また、お堀の水は海水なのでタイが泳いでました。
高松城、すごくいいのだけど、
天守閣がないんですよね・・。
観光ガイドで天守閣のように映ってるのはだいたいは艮櫓か月見櫓で、2013年に「天守台」の石垣が整備されたばかり。
以前の城の形も判明してきて、現在天守閣復元運動が活発に行われてますが、個人的には
海とお城の間に作ってしまった道路と駐車場が、天守閣がないことよりもお城の観光スペック、体験価値を下げてるんじゃないかなああ、やっぱり水城として海につながっててほしいなあ、と思ったりも・・。
ちなみに行ったときは工事中だった桜御門が修復完了したそうです。
■国宝指定を目前に、空襲で失われた高松城「桜御門」 12年をかけ復元…香川:地域ニュース : 読売新聞オンライン
そしてこちらにも。
栗林公園。「りつりん」と読みます。
ちなみに高松に移住した元ラウンジスタッフと行く前からやり取りしてたんだけど、「ミツリン公園は見た方がいい」と聞き取って、ずっとミツリン公園だと思ってたんです。でもgoogleさんのすごいところは「みつりんこうえん」で検索すると栗林公園がちゃんとヒットするんですよ(試してみて)。
だから、何も疑いもなく・・ブラタモリでも栗林公園は紹介されてたけど・・公園につくまでずっと「ミツリン公園」だと思ってたのは秘密の方向でお願いいたします。
しっかり回ると2時間ぐらいかかる広さです。
手羽はこういうところはチャッチャカ歩くタイプなんだけど、それでも1時間かかった。
いやー、素晴らしい。
前回紹介した版画の高浜先生は兵庫県出身で、兵庫の小学校では社会科見学で栗林公園に行くことが多いそう。でも小学生にはこの景色の良さはわからないだろうなあ。年を取るっていいことだなあ。
蓮の花が満開でした。
先ほどの元デザイン・ラウンジスタッフから「ムサビ職員ならこれは見とかなくちゃダメ」と案内してもらった建物が2つありました。
ひとつは、
百十四銀行本店の「百十四ビル」。
設計は日建設計の薬袋公明さんで、外壁は日本初のブロンズ板仕上げ。近代的で無機質なガラス面とこの有機的な銅板面の対比も面白いけど、なにより「114th BANK」のタイポがかっこいい。
連絡通路も男の子心くすぐりますな。
で、もう一つは、
丹下健三設計の香川県庁舎。
椅子や木製棚、石テーブルなども丹下研究室がデザインしたもので、これら全部含めて重要文化財指定とのこと。
丹下さんは1962年に旧香川県立体育館も作っています。
ただ、旧香川県立体育館は老朽化で解体するか残すか平成26年から揉めてるそうです。
■絶体絶命…丹下健三の「船の体育館」活用策は? 香川県教委への提案内容を展示で紹介(KSB瀬戸内海放送)
コンクリートの寿命は50~60年と言われてるし、耐震工事の莫大な費用のことを考えると、この年代に建てられた有名建築物を今後どうするか全国で一気に噴出してるタイミングにきたってことですね。
そんな固い話は置いといて。
今回の四国旅で、一番訪問するのが楽しみな場所があったんです。
それは・・
イサム・ノグチ庭園美術館です。
去年8月に都美館でやってたイサムノグチ展を見て、
■【常に学び、常に発見する】イサム・ノグチ展と丹下健三展に行ってきた
「いつかイサム・ノグチ庭園美術館に行きたいなあ」とずっと思ってたんですが、今回松山⇒高松出張が決まり、たまたま開館見学日時と都合が合ったので訪問することができたんです!
そう、こちらの美術館は火・木・土曜日の午前10時 ・ 午後1時 ・ 午後3時 の一日3回(約1時間)の事前予約・ツアー形式でしか見れないんです。高校訪問の日程が固まった瞬間にすぐさま事前予約しました。ラッキー!
この先は撮影禁止なんで写真はこれ1枚だけです。
でも今回の旅での一番のおススメはここですね。モエレ沼公園との共通点も少し感じました。作品もいいけど、この石垣がまたいいんです。
ちなみに。
高松は丹下さん以外にも、1962年には山本忠司さんによる「喫茶 城の眼」、1963年に芦原義信先生が「旧香川県立図書館」(現香川国際交流会館)、大江宏さんが1965年に「香川県文化会館」や1973年に「香川県立丸亀武道館」(現丸亀高校武道館)と、様々な有名建築家が高松で同時期にすばらしい建築を作っています。
これは「政治はデザイン」「建築は総合芸術」等の言葉を残した当時の香川県知事・金子正則さんの意志がかなり強く、金子知事のついたあだ名は「デザイン知事」。
金子さんは建物を作ること以外に、来客とは必ずうどんを食べて「香川=うどん」というイメージを作り、讃岐うどんのトップセールスをしたりしてますが、なにより、イサム・ノグチに牟礼の石匠・和泉正敏さんを紹介し、イサムを牟礼にアトリエを構える決心を固めさせた人なんですね。
香川県は今でもこそ「アート県」とPRしてますが、金子知事の存在あってこそなんです。要潤じゃないんです。
さて、グルメの話も少々。
一応、
高松出身の方から「ここのうどんを食べずして、讃岐うどんを語っちゃダメ。地元の人が愛してるお店だから、栗林公園行かなくてもここだけは行け」と強く言われたお店があって。
うどん処 さぬきや。
高松商業高校のすぐ横にあります。
しかし、外観はなんかスナックみたいだし、「讃岐でさぬきって」と不安要素しかない・・。
手羽は釜揚げうどんを食べたんだけど、「あ。食べたかったのはこれだ」とすぐ感じました。
正直なことを書くと、いわゆる「讃岐うどん」てやつがそんなに好きじゃないんです。
「コシがある」といわれてるうどんって、ゴムを噛んでるような感覚になるんですよ。福岡の柔らかいうどんを食べて育った影響もあるんでしょうが、まずいとは思わないけど、毎回「またゴムを噛む作業をするのか」と思ってしまう自分がいます。
でも、ここのうどんは「モチモチ」「プニプニ」「チュルチュル」という擬音が合うんですよ。ゴムよりもタピオカに似てる触感。これはほんとうまい!!
おススメは「かもなんば」だそうです。
観光レポートもこれで終了です。
最後にアドバイスを残しておくと、
高松空港へのアクセス手段は電車はなく、車しかありません(山を削って平にした場所を空港にしてる)
足がなければリムジンバスかタクシーの選択肢しかないのだけど、リムジンバスの本数が少ないんですよ。高松駅から出てる空港行きのリムジンバスでこの本数って信じられます?
手羽のフライト時間に合った便がなく、結局タクシーで高松駅前から向かいました。約1時間かかって、最後に思わぬ出費・・。
そうそう。タクシーでご高齢の運転手さんにさっきのうどんの話をしたら、「本当はそれを『コシがある』っていうんです。いいお店教えてもらいましたね」と言われました。
この話も書かなくちゃ。
東京へ帰る前日に、元デザイン・ラウンジスタッフから「そういえば明日は、デザインハブの日本デザイン振興会の皆さんとTUBの加倉井さんがこっちに来るんですよ。10時半の飛行機で到着ですが、会って帰ります?」と聞かれたの。
その時は「ま、特別会いたい人達でもないし、別にいいや」とスルー・・してみせたけど、手羽が乗る飛行機の出発時刻は11時20分。これは待ち伏せるしかない。
到着ロビーのはじっこに30分ぐらいこっそり隠れ、「俺は一体なにやってるんだろ・・」とか思いながら、加倉井さんが出て来たところで飛び出して
「うあーー、こんな偶然ってあるー?!出発時間はちゃんと聞いてなかったけど、そうだったんだねー。運命を感じるよね!」てなことをやったのはここだけのヒミツ。
手羽はそのまま出発ロビーの保安検査場へ行き、デザインハブギャルに見送ってもらいました。
てなわけで、四国旅レポートはこれにて終了します。
直島へは行きたいと思ってるので、人生でもう1回ぐらいは高松にくるかな?
以上、9月には大分・熊本出張がある手羽がお送りいたしました。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。