夏恒例となった武蔵野美術大学と東京工業大学との合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2024」の様子をレポートしています。これまでの話はこちら↓
■【お題は「むすぶ」】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2024」スタート!
■【つばめテラス】東工大×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2024」2日目
■【市ヶ谷ステージスタート】東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2024」3日目!
■東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2024」4,5日目! #クリエイティブイノベーション演習優秀作品展 #小平グリーンロード灯りまつり #ムサビる!
■東工大×ムサビ合同WS「コンセプト・デザイニング2024」最終プレゼンその1!
市ヶ谷キャンパスでは熱いプレゼンが繰り広げられています。
では、最終プレゼンの後半戦レポートスタート!
4番手はDグループ「サンマツミ」。
ここでコンセプト・デザイニング史上初めての出来事が発生します。
当日朝3時までディスカッションをしてたそうだけど、最終プレゼンは「まとまりませんでした」というまさかのプレゼン。「不誠実ですいません」と。
中間プレゼンも良かったし、ずっと活発に話し合ってたし、早い段階でホワイトボードに「劇」って書いてたから「最終プレゼンはパフォーマンスか映像系ってことか。アウトプットも決まってるようで順調順調」と思って安心して見てたグループだったから、昨夜21時50分に激白された時はほんとにびっくりで。「中間プレゼンでやったナメクジの交尾でいいじゃん」と言ってしまったくらい。
これまで出てきた無数の言葉を成仏させるためのお墓が造形物。
ただ、サボってのこの結論ではなく、先生や手羽やスタッフ・他グループの学生さん含めDグループが一番議論をしてたのは知ってるし、お題の「むすぶ」にがっぷり取り組んでたのはみんなわかってるので、この結論が不誠実とは全く思ってなく。
「このワークショップはコミュニケーションが大事だから、みんなが納得するまでトコトン対話をするんだよ」と説明しつつ、「ま、といっても大人だからどこかで妥協点を見つけてアウトプットを作るんだろうけど」と心の中で思ってた自分がいました。このワークショップの趣旨からすると「まとまりませんでした」が起きるのはある意味当然かもしれません。
審査員の袴田先生も「いつか起きると思ってたけど、とうとう使ってしまった禁断の手」とおっしゃってたし(笑)、手羽も毎年これが起きると困っちゃうけど10年に1回ぐらいはいいんじゃないかと思ってます。
総意の結論を出せなかったことは評価として低いけど、議論の深さをみても、手羽ちゃん賞はこのDグループかな。
「困った時は長澤理事長に振れ」というムサビの格言があるので、後ろでずっと聞いてた長澤理事長にコメントをお願いするの図。
何がいいって、とことん議論した人たちの顔になってて悲壮感がないところで。
5番目はAグループ「中華料理」。
Aグループも木曜夕方まで何をするか混乱してたグループだったんですが、なんと金曜1日でArduinoを使って、いわゆる「ワニワニパニック」なようなものを作ったんです。
袴田先生がかまれる様子はこちら↓
ワニワニパニック・・と見せかけて、実は歯を押してる時間でポイントが加算される裏ルールが設定されてます。
Aグループのいいところは「システムは東工大生、造形物はムサビが作る」みたいなステレオタイプでやってなかったこと。
ムサビ生が東工大生にハケの使い方を教えて塗らせたり、Arduinoのプログラミングをメインでやってたのはムサビ古堅ゼミの学生さん。といってもArduinoは授業で1回やったことがあるぐらいだったらしく、よく1日半でここまで作ったし、それで「これでいこう」と提案したもんだ。
東工大の先生から「これは『遊び」なのか、『ゲーム』なのか」と目が覚めるようなコメントをいただきました。
ラストはCグループ「ぬけおちる筋肉」。
ずっと写真に見きれてた風船はCグループの造形物だったのです。
先生方の評価はかなり高く、最終評価は「銀賞」でした。
これで全グループの発表が終了。
ここから先生は別室で審査に入ったけど、これがほんとに難航して。この数年で一番1位と2位が割れたんじゃないかしら。
40分ぐらいかかってなんとか決定。
栄えあるコンセプト・デザイニング2024の「金賞」は・・
Bグループ「Bounding Cracks」の金継ぎ×古着に決定!
おめでとうございます!!
最後に先生方から総括コメントをもらい、近くの中華料理屋さんで打ち上げ。
終わり際に東工大の学生さんから「今まで参加したグループワークの中で、大変だったけどダントツに面白かったです」と言われてホッとしました。
手羽が関わるようになって10年がたちますが、ワークショップポリシーは昔から変わらないのだけど、学生さんたちに伝えたいメッセージ・学んで感じてほしいことは昔よりも込められるようになったかなあ、と思っています。
これにて東京工業大学×武蔵野美術大学合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2024」終了。
来年は東京科学大学×ムサビ合同ワークショップ「コンセプト・デザイニング2025」でお会いしましょう!!
以上、オチをいうと「むすぶ」には東工大と東京医科歯科大の統合という意味も込めてました、の手羽がお送りいたしました。
ではこれから高知へ行ってきます。
【美大愛好家】 福岡県出身。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒。 2003年より学生ブログサイト「ムサビコム」、2009年より「美大日記」を運営。2007年「ムサビ日記 -リアルな美大の日常を」を出版。三谷幸喜と浦沢直樹とみうらじゅんと羽海野チカとハイキュー!と合体変形ロボットとパシリムとムサビと美大が好きで、シャンプーはマシェリを20年愛用。理想の美大「手羽美術大学★」設立を目指し奮闘中。