入り口は2階。シンガポールらしいプラナカンな雰囲気の細道に看板がでていました。
「猫が外に出ちゃうので気を付けてね」と入口のドアに張り紙がしてあります。
この張り紙一つとってもなんだかおしゃれです!
えっ、もしかして本物の猫に会えるのかな?と期待が増幅。
カウンターに着くと・・・本物だ!ふさふさな猫さまがリラックスしたポーズでお出迎え!
えっ!生きている猫がいるなんて!触っちゃってもいいんですか?
もしかして猫さまと遊びつつもアートを楽しめる空間なのでは・・・高鳴る胸を押さえつつ、チケットを購入します。
入場料はお一人S$9のみ。(日本円で約800円)
特に猫カフェのようなワンドリンク制でもなく、そして時間制限もありません。
時間を気にせずにじっくり楽しめるなんて嬉しい!
さて、エレベーターで2階から最上階の4階へ移動します。
おそるおそる足を踏み入れると・・・・
壁は猫関連のアートがズラリ!一面ぎっしりとイラストが続き、迫力があります。
振り返るとキャットタワーが至る所に設置してあり、優雅に寝そべる猫さまなど、成猫5匹ほどが思い思いに過ごしていました。
やはり、猫カフェのような空間の中にアートを混在させ、「猫ミュージアム」としているようです。
視線を感じて振り返ると!?
ブランコに揺られる猫さまがいました。
室内の中に緑があるようで安らぐ壁アートです。
猫とゆっくり戯れた後は階段を使って3階へ降りていきます。
階段にも美術館らしく猫に関する展示物が置かれていました。
フェルメールの「ミルクを注ぐ女」では大きな猫が女性に擦り寄っており、ボッティチェリの「春」では着衣のヴィーナスがふくよかな猫になったバージョンが。猫さまへの強い愛が伝わってきます。
3階はなんとKITTEN KINDERGARTENでした!
「子猫の幼稚園」とはよく言ったもの。20匹ほどの子猫がはしゃいでいました。
上階と比べてさらに猫カフェのような雰囲気です。隠れやすい棚や小さめのキャットタワーなどが多く設置してあり、子猫にとってストレスを感じさせない工夫が施してあります。
時を忘れて遊んでいると、子猫さまも人間もお待ちかねのご飯タイムがやってきました!
カリカリを準備する音が聞こえ始めると、子猫さまたちはテンションマックスで飛び出してきたり肩に飛び乗ってきたりとなんともフレンドリー。
ちなみに、この子猫たちの里親を募集しているとのこと。
遊びつつも、どの子を家族に迎え入れようか真剣に悩んでいるシンガポーリアンが多くいました。
里子を連れて帰る前に、実際に触れ合う事でより子猫の性格がわかります。育てることにしっかりと責任を持てそうですね。
入場チケットカウンターのある2階に降りていきます。こちらが最後の会場です。
一番美術館の色が強い階になっており、シンガポールの猫に縁のあるアート作品や、 世界の著名な猫さまが展示されていました。
ちょっと考えただけでもアンディ・ウォーホルや菱田春草といった猫をモチーフにした有名なアート作品はかなり多くありますね。
犬よりも猫のほうが美術に取り上げられることが多いように筆者は感じます・・・どうでしょうか?
ダ・ヴィンチの猫のスケッチ画もありました。ダ・ヴィンチは一体何を思いながら猫を見つめていたのでしょうか。
また、隅の方には猫ドームで寝ているお年寄りらしい猫がいました。
スタッフに話を聞いてみると、聴覚に障がいを持っているとのこと。落ち着くようにハーネスがついていました。
しっかりとケアされているようで、ストレスも見えず気持ちよさそうに寝ていました。
ここでは、どんな猫さまも幸せそうに暮らしています。
この猫美術館は金~日曜日の短い間しか営業しておらず、さらに15時30分~16時30分までは子猫のお昼寝のためクローズになります。
シンガポールにある猫の愛護団体「キャット・ウェルフェア・ソサエティ(Cat Welfare Society)」と協力しながら運営されており、猫のカレンダーやぬいぐるみといった猫グッツの売り上げは運営費にまわされているそうです。
また、アニマルセラピーなどの普及活動も積極的に行っており、この美術館の創立者ジェシカ・シート(Jessica Seet)さんの熱い思いを感じました。
シンガポールの猫ミュージアム。
猫さまと遊ぶことができ、猫カフェのような空間を保ったユーモア溢れるアート空間でした。
動物と触れ合う事で五感も研ぎ澄まされたかも?
動物との共存についても考えさせられる、有意義な訪問になりました!
(剥製が置かれていなくて心から安堵した筆者です)
日本工学院八王子専門学校および東京工科大学メディア学部卒。シンガポール5年目の写真家&ウェブデザイナー。DTPデザインもやってます。ポジティブなアートが大好きな奄美出身の変わり者。過去にクラウドファンディングサイトCAMPFIREにて資金を集め、個展を開催したことも。 なんでもやりたい、なんでも好き!な自他共に認める(オタク)です。