Hipsterではない、意識を増やす雑誌作り

皆さま、初めまして、モーフィングのモテキです。 私は日本と台湾のハーフで、ずっと台湾で教育を受けてきましたが、去年の9月から半年間、青山学院大学に留学をしていました。アートと社会を国境を越えて繋げたい、という気持ちで具体的な道を探っている最中です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Hipsterとは?
Hipster を切り口にみる周りの大学生の美学。


さて、突然ですが皆さんはHipsterという言葉を聞いた事がありますか?

今回は自己紹介を兼ね、私が長年違和感を感じてきたHipster現象を紹介しながら、
私の過去の取り組みについても触れたいと思います。

「ヒップスターHipster」は、
1960s に流行した"hippie"の前身たる言葉で、ヒッピーより先に 1950 年代に流行し、
〈現代感覚に敏感な者〉〈本当のフィーリングをもった者〉と言った意味合いで
当初は使われていました。

しかし、Hipster は哲学や思考を持った人間を指すものでありましたが、
60 年以上を経て現在では、Hipsterはただ小粋なイメージをもたらすその名詞だけが残り、
表面的なイメージだけが強くなって残っています。

服装であったり(男性はヒゲでメガネなど、女子は脱力感のあるアーバンヒッピー感など)、
嗜好であったり(音楽ではジャズやインディ・ロックなどを好み、
趣味はアート、読書、カメラ等、知的でおしゃれな印象を与えるものを好む)、
表面的なイメージを追いかける。

「ここを押さえておけば大丈夫だろう」と要素を押さえることで、
簡単に〈現代感覚に敏感な者〉になれる、おしゃれの新基準が出来たわけです。

真のHipsterが、どういった哲学、美学、スピリットを基に、
そういった趣味嗜好を持ち始めたかをよく知らないまま、
ただ表に見える部分を真似、自分がユニークでおしゃれになったと満足する大勢の人がいる。
こういった大勢の人が増えた事により、
すっかり今では、Hipsterは本来流れを創る側から、
流れに身を任せる受け身的な存在に変化してしまったように感じます。

以前から私は台湾でこういった風潮に違和感を抱いていました。
しかし日本へ留学してみて、留学生仲間(アメリカ西海岸東海岸、モンゴル、韓国然り)も
彼らの自国や日本に対して、同じ様な指摘をしていると気付きました。



  • 『HIPSTER CYCLIST』

美大生にそうした人は少ないかもしれませんが、
特に私は総合大学でビジネス系の勉強をしているため、
周りには、人生や生活をシビアに見ている人が多く、
そういう学生の多くは自分の美学を明確に持っている事自体が珍しい。

なかには、自分は美的センスがあるんだよとアピールしたがる人もいて、
彼らをみて私が再び思い浮かべるのが、Hipster のイメージでした。

『あぁ、あの人があれをやっている、センスあるし面白そうだな、やってみよう!』
と言わんばかりに、その趣味嗜好を理想の自分の趣味として始め、
その真似っぷりは徹底たるものです。
LOHASだったり、一眼レフやフィルムカメラだったり、foodieだったり、
みなさんも見覚えが数多くあるのではないでしょうか。



流れを作る者から、流れに乗る者へと変化したHipster。
その意識を変えるため、私が台湾でチャレンジしてきたこと。


私は、台湾でそうした風潮に違和感を感じ始めました。

趣味嗜好とは、
その美学、哲学、歴史を踏まえたうえに形成されるもの。
少なくとも、流行の源となる「粋」や「おしゃれ」には、
コアな意識の発信源があって、
それは画一的で、簡単に真似出来るものではないと、私は思います。

「自分の意識からの発信なんて、そんなの私には出来ない。」
と、思うかもしれません。

否、誰にだってその可能性があり、
無限な創造性と独自性を持っているものです、思考の持ち方次第で。

ただおしゃれと見なされているHipsterの真似ではなく、
自分だけ持っている美、
自分だけが見なせる美から創りだせるものがあります。
もっと自発的なものを大事にしてほしい。


更に、もしかすると意識の話以前に、自分独自の美に自信が持てない、
あるいは気が付いてない人が多いのではないか、とも思い始めました。

そんな想いを持った私とある友達は、
独自の美学哲学を持った人の作品を集め、
みんなに提示したいと思い始めました。

そこで自身独自の魅力に気付かずいる若者達に、
他人の角度で自分を捉える直す機会を作ろうと、
沢山のポートレイトを撮りました。


  • 当時撮った、友人知人のポートレイト

  • 当時撮った、友人知人のポートレイト

さらに、形を作り、意識を提示するためウェブで雑誌を作り、
集めた作品と、撮ったポートレイトを掲載し始めました。

その名も雑誌『Domingo Magazine』。
issuu というグローバルな無料のウェブマガジンサービスを使い季刊で発行、
創刊から一年続き、現在は休刊中です。(今後復帰予定有り)
(http://issuu.com/domingomagazine)


  • ISSUUにて掲載されているDomingo Magazine

Hipster 風ではない、自分独自の意識を持った考え方を広める為に作った雑誌、
この雑誌の制作・発行経験を土台にして、
今回、日本の美大生向けて PARTNER でも記事を提供する機会を得ました。

日本の美大生のぜひ Hipster 風ではないみなさんの創造性と独創性にあふれた様々な記事を見ることをたのしみにしつつ、私自身も台湾以外で、新しい発信の形をとても楽しみにしています! みなさんにとって新鮮な視点を提供していきたいと思います。


宜しくお願いします!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

STUDENT WRITER

Moteki Yoshika / Moteki Yoshika

Japanese/Taiwanese mixed. A business student who love arts and science.